観音・勢至菩薩像
鎌倉時代前半
観音27cm、勢至28.5cm(各、像高)
来迎の阿弥陀三尊像のうちの両脇侍像である。両脇侍像はともに腰をかがめて、観音像は両手を前に差し出して掌を仰ぎ、勢至像は合掌する。いうまでもなく、観音は往生者の魂をむかえて蓮台の上に乗せ、勢至はそれを祝福する姿である。同じ腰をかがめる姿勢でも、観音像の方が深くかがめているのは、今まさに魂を迎えとろうとしているからである。浄土からこの世にやって来るという動きをあらわすために、着衣がひらめいている。そのような動きの表現はいかにも鎌倉時代らしい。鎌倉時代前半の作と推定される。