HOME

> 薬師如来像

薬師如来像

平安時代後期
49.5cm(像高)

左手先をわずかに上向けて仰ぎ、その掌上に薬壺を載せ、右手は肘を曲げて掌を前に向ける施無為(せむい)印とするので、薬師如来であることが確定できる。両手先が失われ、あるいは後世の修理で替わっている作例は多いが、本像はそういった細部まで残っているところが貴重である。
本像の頭から胸にかけての体部は、今は黒ずんでいるが金泥仕上げだったと思われ、いっぽう着衣部には朱彩の痕跡があり、赤色の衣だったことが知られる。すなわち体部が金、衣部が朱という「朱衣金体(しゅえこんたい)」という仕上げだったのである。これは比叡山の延暦寺根本中堂の本尊薬師如来像にある特徴で、本像は根本中堂本尊(5尺5寸(166.6cm))の、およそその三分の一である。
ヒノキ材、一木造。平安時代後期12世紀の都出来の美作である。

価格

お問い合わせください。