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不動明王座像

室町時代、15世紀
29.2cm(像高)

頭髪巻き毛で、両目を見開き、上歯列で下唇を噛み、両牙は下向きに出る。このような面相は弘法大師様(よう)といい、曼荼羅に由来するものであるが、頭髪が巻き毛なのは別系統で、これは天台宗に多い不動明王の特徴である。このように真言・天台両様の図像が混在しているのは、密教僧侶による感得の結果だからである。一種のインスピレーションなので、従来の決まった形から外れる形式となる。後ろ髪が跳ね上がっているが、修験行者が信仰の対象にする不動明王にこのような表現が多い。木造。頭体部を一材から彫出し、両手・両足は別材を寄せる。忿怒の面相を誇張なくまとめ、また着衣の衣文も写実的ながら穏やかな、室町時代のまとまりのよい作である。

価格

¥5,500,000(税込・送料込)