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後鬼

鎌倉時代
35.7cm(像高)

役行者像の前にはその従者として二匹の鬼が置かれる。決まった形はないが、一方は炎髪で、斧をもつ赤鬼、他方は巻髪で、水瓶をもつ青鬼が一般的であり、それぞれを前鬼(ぜんき)・後(ご)鬼(き)という。絵画によれば、後鬼は頭に二角の生えるものや、背に笈(おい)を負うものがある。
本像は前鬼・後鬼のうちのどちらかである。炎髪ではあるが、背に負っている笈(後補)をはずすと固定用の紐が彫出されているので、当初から笈があったことは間違いない。体の色は分からず、両手でもつ斧と水瓶は後補なので、それらを除いて考えると、二角の生えることや、笈を負うことで後鬼の可能性が高い。
玉眼の嵌められた怒り目が生々しく、胸の筋肉表現が仁王像に倣ったことが明らかで、迫力ある造形になっている。決して多くない前鬼・後鬼の珍しい一例であり、鎌倉時代にさかのぼる貴重な作である。

価格

¥5,000,000(税込・送料込)